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『週刊T経済』の17年新年号で、経営戦略論の権威、M、Hーバート大学教授は、Y編集長(当時)との対談のなかで「Bーイング、Cティバンクなどは首尾一貫した事業の組み合わせで、資本に対するリターンを測るなど信頼に足る指針を持っているが、GEはプラスチックからジェットエンジンまで事業領域が広すぎる。
それぞれの事業分野では大変な経営資源を擁しているが、すべて維持していくという経済的ロジックはない。 やがてGEはもう一度リストラせざるを得ない」と、指摘していたことが的中することになる。
H橋大学大学院国際企業戦略科はPーター教授の協力を得て、17年企業戦略に優れた会社を表彰する「P賞」の創設を提唱。 その第1回受賞企業には、既存市場の切り崩しで活路を拓いたM証券を選んでいる。
外資系生保のビジネスモデルは既存市場の切り崩しを狙った点でM証券のモデルと共通項は多い。 結局、17年9月、J・Wルチ会長兼CEOの後任として就任したJ・I会長兼CEOの時代になって、グループ利益の4割を稼ぐ金融ビジネスのなかで、重荷になっていた保険事業の一部、日米の保険2社の売却を決断することになる。
GEがE生命を売った、もうひとつの理由がある。 保険会社とメーカーのバランスシート(貸借対照表)上の会計処理の違いが大きい。
メーカーは遊ばせる資金をできるだけ少なくし、資金効率を上げなければならない。 保険会社は資金を手厚くし、眠らせることが信用カァップにつながる。
メーカーの売り上げに相当する保険料収入は、責任準備金として、負債に計上する。 責任準備金は将来の保険金支払いに備え、積み立てる準備金のことで、いずれ顧客に支払う負債だから、保険料収入を上げれば上げるほど、負債が膨らむ仕組みだ。
負債が膨らめば、バランスシート上、それに見合う資産が必要だから、資産が増加する。顧客から払い込まれた保険料の運用先が資産として計上され、しかも超長期の資金運用が必要になる。 GEとしては、Eジソン生命が保険料収入を上げ、成長すればするほど、メーカーとしての資金効率は悪くなるというジレンマを抱えていた。

会計処理上のジレンマは、GEが金融ビジネスの柱として、有望視していた生命保険を手放すもとになったひとつの動機づけとなったはずだ。

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